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Posted by - 2024.05.05,Sun
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Posted by よあ - 2013.02.06,Wed
 執政院ラーダに認められた冒険者ギルドのうちのひとつ、「Rays」。
 名前は短すぎて当たりも障りもない、構成メンバーにさほどの特徴があるわけでもない。要は記憶に値しない有象無象の一角に過ぎないのだが、彼はその四文字をなるべく忘れないようにしよう、と日々努力していた。
 理由は簡単、彼がバードとしてギルド名簿の六番目に名を連ねているからである。
 己が所属しているギルドの名を忘れるとはどういうことか、と至極もっともな指摘を受ければ、そもそもの結成から、彼が所属するに至った経緯について語らざるを得ない。
 ギルドを結成するのに頭数が足りないからと、幼馴染の強引な勧誘により署名をせざるを得なかったこと。
 その時点で既に、ギルドの名前は決定していたこと。
 ギルド認定申請書類の記入はギルドマスター自らの独力、もとい単独犯行であったため、後日ラーダより書類不備の旨で返送されてきたこと。
 仕方なく全員で修正作業を行ったが、ギルド名のつづりがメンバーの目に触れたのはその時が初めてだったこと。
 とにかく運営がいい加減なのである。冒険者の寄り集まりといえばそんなものなのかも知れないが。
 それにしたって、六人しかいないメンバーの中でも、ギルドマスターが最年少、かつ最も無鉄砲というのはいかがなものだろうか。彼とてギルドマスターとさほど歳の差のない若造ではあるものの、無謀な言動はマスターの髪の毛一本分もないと自覚している。
 それでも今日まで彼らがギルドとしての体裁を保ち、冒険者として名を馳せているのは、メンバーそれぞれの実力、努力、そして運の賜物だった。
 このギルドで良かったのか、そうでもないのか、あるいは冒険者になるべきではなかったのか。確信は持てないが、彼は「Rays」というギルドをそれなりに気に入っている。

■吟遊詩人とギルド名■
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