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Posted by - 2024.05.05,Sun
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Posted by よあ - 2013.02.06,Wed
 彼女の属するギルドのマスターは、かつての上司によく似ていた。
 褐色の肌に碧の瞳。髪の色合いは流石に違うが、やたらと目立つ赤毛、と文字にしてしまえば一絡げである。開けっ広げにものを話し、感情の向かうまま言葉を走らせ、頭が追いつかなくなると「うあー」なんて呻いてオーバーヒートする。そうとは見えないのに料理の腕が良いところまでそっくりで、相違点といえば性別くらいしか思いつかなかった。
 聖騎士団を遠く離れ、一冒険者として活動している自分が、あの女性を果たして上司と呼んでいいのかは疑わしい。それでも籍は名簿に残っているだろうからと、ギルド「Rays」唯一のパラディンは自分を説得するかのように頷いた。
 上司には手紙すら送れないまま、かれこれ数ヶ月が過ぎようとしていた。そろそろ連絡しなくては、とギルドマスターの顔を見るたびに思うのだが、今のパラディンにとってはペンが剣よりも重い。
 第一、何を書けばいいというのだろう。あの上司が、自分に関して知りたい情報などあるのだろうか。
 白紙のままの便箋を、今日も棚に戻す。

■視点03/宿ロビーのカウンターにて■
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