目的に応じて適当に
Posted by よあ - 2007.05.02,Wed
世界樹の活動停止と共に、迷宮には綻びが生じた。
通路を吹き鳴らす風。流れ込む生命の音。
帽子の鍔を押さえつつも、喜ばしいと思う。
■視点02/65文字/B21F■
通路を吹き鳴らす風。流れ込む生命の音。
帽子の鍔を押さえつつも、喜ばしいと思う。
■視点02/65文字/B21F■
Posted by よあ - 2007.05.01,Tue
少なくともそれに近い、終わりの場所だと感じた。
拓けていても風はない。無数の尖塔に串刺しにされた空は、空ろな青色をしていた。
■視点02/63文字/B22F■
拓けていても風はない。無数の尖塔に串刺しにされた空は、空ろな青色をしていた。
■視点02/63文字/B22F■
Posted by よあ - 2007.05.01,Tue
いつも踏みしめているこの場所を、きっと、必ず変えてみせる。
約束したきり季節は巡り、月日は流れ、場よりも先に人が移ろっていった。
■視点01/65文字/広場にて■
約束したきり季節は巡り、月日は流れ、場よりも先に人が移ろっていった。
■視点01/65文字/広場にて■
Posted by よあ - 2007.04.30,Mon
呆気に取られていると、店主は舌を出した。
「いらっしゃいませ、だったね」
彼は笑う。
店主には悪いが、帰りたい場所はここではない。
■視点01/65文字/商店にて■
「いらっしゃいませ、だったね」
彼は笑う。
店主には悪いが、帰りたい場所はここではない。
■視点01/65文字/商店にて■
Posted by よあ - 2007.04.28,Sat
むしろ逢える時間の方が少なかったから、次はいつかなと楽しんでいた気がする。
傲慢だったと気付いても、とうに手遅れ。打つ手はない。
■視点04/65文字/回想■
傲慢だったと気付いても、とうに手遅れ。打つ手はない。
■視点04/65文字/回想■
Posted by よあ - 2007.04.27,Fri
自分の無力さを思い知るのは、こんな時。
不器用さが歯痒い。掛ける言葉さえ見つからない。
それでも一人にさせたくはなかったから、
■視点01/64文字/広場にて■
不器用さが歯痒い。掛ける言葉さえ見つからない。
それでも一人にさせたくはなかったから、
■視点01/64文字/広場にて■
Posted by よあ - 2007.04.26,Thu
「でも、分ければ二つになる。だろ?」
「素敵な発想だね」
店主は笑った。
「けど、分けた素材が二つ分の値段になるワケじゃないから」
■視点01/63文字/商店にて■
「素敵な発想だね」
店主は笑った。
「けど、分けた素材が二つ分の値段になるワケじゃないから」
■視点01/63文字/商店にて■
Posted by よあ - 2007.04.26,Thu
「母さんも心配してる」
早く帰って、と妹は唇を尖らせたが、心配も何も家は目と鼻の先だ。
間近なその場所に、どうしても帰れない。
■視点01/63文字/広場にて■
早く帰って、と妹は唇を尖らせたが、心配も何も家は目と鼻の先だ。
間近なその場所に、どうしても帰れない。
■視点01/63文字/広場にて■
Posted by よあ - 2007.04.25,Wed
言葉がなくても通じる。
互いに命を預け合える。
とはいえ心の距離とは関係なく、近いからこそ伝わらないものもあるのだ。恋心とか。
■視点04/64文字/酒場にて■
互いに命を預け合える。
とはいえ心の距離とは関係なく、近いからこそ伝わらないものもあるのだ。恋心とか。
■視点04/64文字/酒場にて■
Posted by よあ - 2007.04.23,Mon
お前は卑怯だと一言囁いてくれる者があったなら、自分は今、ここに居ない。
逃げ込んだ先、この善良なもの達を、今度は裏切りたくない。
■視点05/65文字/B20Fにて■
逃げ込んだ先、この善良なもの達を、今度は裏切りたくない。
■視点05/65文字/B20Fにて■
Posted by よあ - 2007.04.23,Mon
不意に剣士が立ち止まった。前方に見えるのは凶暴そうな野牛だ。周囲の獣とは明らかに格が違う。
「……グラムあたり、幾らになるかな」
■視点02/64文字/B2Fにて■
「……グラムあたり、幾らになるかな」
■視点02/64文字/B2Fにて■
Posted by よあ - 2007.04.22,Sun
私の中の、母の輪郭は曖昧だ。
今は亡きその人を、父は今も大切にしている。
彼が朝の祈りを捧げている間に、私は一人で朝食を取る。
■視点02/65文字/回想■
今は亡きその人を、父は今も大切にしている。
彼が朝の祈りを捧げている間に、私は一人で朝食を取る。
■視点02/65文字/回想■
Posted by よあ - 2007.04.22,Sun
書類に判を押されて、人が死ぬことなどあり得ない。
無音の声で構わない。彼女自身の手で、姿で、冷たさで、喪失を告げて欲しかった。
■視点04/64文字/回想■
無音の声で構わない。彼女自身の手で、姿で、冷たさで、喪失を告げて欲しかった。
■視点04/64文字/回想■
Posted by よあ - 2007.04.21,Sat
何を能天気な、と腹の立つような依頼だったが、
「素敵な指輪ができるといいですねぇ」
幸せ思考は伝染るものらしい。
案外、悪くない。
■視点04/65文字/銀のカケラに想いを託して■
「素敵な指輪ができるといいですねぇ」
幸せ思考は伝染るものらしい。
案外、悪くない。
■視点04/65文字/銀のカケラに想いを託して■
Posted by よあ - 2007.04.21,Sat
「オレ達が断ったらどうなるんだろ」
「依頼主がちょっと困るだけさ」
人の頼み事──個人が具体的に望むことなど、大抵は身勝手なものだ。
■視点04/65文字/酒場にて■
「依頼主がちょっと困るだけさ」
人の頼み事──個人が具体的に望むことなど、大抵は身勝手なものだ。
■視点04/65文字/酒場にて■
Posted by よあ - 2007.04.20,Fri
持ち前の身軽さ、体に刻み込んだ足捌きの技で、牙を、爪を、尾の追撃をかわす。
舞うような、などと言われるが、怪物と踊る趣味はない。
■視点02/65文字/トリックステップ■
舞うような、などと言われるが、怪物と踊る趣味はない。
■視点02/65文字/トリックステップ■
Posted by よあ - 2007.04.20,Fri
微量の鉄とチタン、マンガンを含む二酸化ケイ素の結晶。その優しい紅色は、光を浴びるとすぐに褪せる。
誰かに似ていて、無性に哀しい。
■視点05/65文字/回想■
誰かに似ていて、無性に哀しい。
■視点05/65文字/回想■
Posted by よあ - 2007.04.19,Thu
なんて気持ちは毛頭なく、互いの安全のために手を組み、各自の目的の為に戦った。
そんな連中に命さえ預けている、今の自分が不思議だ。
■視点04/65文字/B11F■
そんな連中に命さえ預けている、今の自分が不思議だ。
■視点04/65文字/B11F■
Posted by よあ - 2007.04.19,Thu
自ら敵前に飛び出し、捨て身でぶつかり、逃亡時には後衛の安全のため、数秒待つ。
最高に厄介で、見捨て辛い仲間を持ってしまった。
■視点03/63文字/B13Fにて■
最高に厄介で、見捨て辛い仲間を持ってしまった。
■視点03/63文字/B13Fにて■
Posted by よあ - 2007.04.19,Thu
手放すまいと思う。懸命に掴み、無様を承知でしがみつく。
生きているものの体温。
他人のならともかく、これを失くしたらおしまいだ。
■視点02/65文字/B14Fにて■
生きているものの体温。
他人のならともかく、これを失くしたらおしまいだ。
■視点02/65文字/B14Fにて■
Posted by よあ - 2007.04.18,Wed
「初恋の人と結婚、なんてあるんですかね」
「私がそうだけど?」
「……相手は錬金術ですか」
彼女は今も、初恋の相手にメロメロだ。
■視点05/62文字/回想■
「私がそうだけど?」
「……相手は錬金術ですか」
彼女は今も、初恋の相手にメロメロだ。
■視点05/62文字/回想■
Posted by よあ - 2007.04.18,Wed
わかりました、長に代わり今後は
私がこの街を守っていきます。
「眼鏡、始まったな」
「……図鑑を見てると、なんか不安になるんだが……」
■視点01/64文字/執政院にて■
私がこの街を守っていきます。
「眼鏡、始まったな」
「……図鑑を見てると、なんか不安になるんだが……」
■視点01/64文字/執政院にて■
Posted by よあ - 2007.04.12,Thu
死人に耳なしだよ、と連れの詩人は言った。
それでも歌って欲しかった。錆びた鉄から伝播した哀しみを和らげ、今の自分を慰めるために。
■視点01/65文字/過去を拾いに■
それでも歌って欲しかった。錆びた鉄から伝播した哀しみを和らげ、今の自分を慰めるために。
■視点01/65文字/過去を拾いに■
Posted by よあ - 2007.04.11,Wed
食い破られ、奪われたとばかり思っていた。
でも両手は、まだ俺の意思で動く。思考して、掴み取れる。
そうだ、食われてなんかいない。
■視点05/65文字/施薬院にて■
でも両手は、まだ俺の意思で動く。思考して、掴み取れる。
そうだ、食われてなんかいない。
■視点05/65文字/施薬院にて■
Posted by よあ - 2007.04.10,Tue
そんなものを気取って、自分は一体何をしていたのだろう。
ただ止まり木を離れるのが怖かったのだと、自由を得た今になって気付く。
■視点03/63文字/宿屋にて■
ただ止まり木を離れるのが怖かったのだと、自由を得た今になって気付く。
■視点03/63文字/宿屋にて■
カレンダー
カテゴリー
プロフィール
HN:
よあ
自己紹介:
修行中の身。
自分に作れるものなら、何でも作るよ。
自分に作れるものなら、何でも作るよ。
ブログ内検索
最新CM
最新トラックバック
アクセス解析
Template by mavericyard*
Powered by "Samurai Factory"
Powered by "Samurai Factory"
PR