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Posted by - 2024.05.18,Sat
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Posted by よあ - 2008.02.21,Thu
「見えた!」
 リコが叫んだ。馬車の幌から思い切り良く身を乗り出し、「うわー」だの「ひゃー」だの、聞き手にとっては何の情報にもならない感嘆詞を繰り返す。
 彼女の瞳は目的地を捉えたのだ。馬車は心地よいリズムで揺れ、私達をゆったりとその地に近付けていく。
 ハイ・ラガード公国。「世界樹」を擁し、その根でもって大陸中から伝説と夢希望を吸い上げる一大都市。
「すっげ、あの建物、あれどうなってんだ……?」
 その特徴的な街並みを、私は紙上でしか見たことがないが──
「なぁ、アルフ!」
 こちらを振り向く紅鳶色の瞳、きらきらとなびく茜色、幌の外の青空。白黒の図版を思い浮かべていた私の視界に、鮮やかな原色が散らばる。
 私は眼鏡の底で目を眇めた。
「リコ、私はあなたほど目が良くない。ここからじゃまだ見えないよ」
「見てもないのに、分かんのか?」
「経験則的に」
「ふぅん……」
 景観の新鮮さを共有できない不満からか、ただでさえ丸い頬の線を膨らませるリコ。
 申し訳ないとは思うが、私が近眼なのを差し引いても、彼女は目がいいのだ。
「どれどれ、どんなの?」
 私とは反対側の端に腰掛けていたユリスが、揺れる床の上を慎重に動いた。リコの脇にちょこんと腰を下ろした姿は少女のようで、旅の仲間の最年長であるようには見えない。
 ユリスはあどけない顔を突き出してひとしきり外を眺めた後、
「……よく分かんない」
 柿色のおかっぱ頭を振り振り、私の予想通りの言葉を漏らした。
「リコ、目がいいもんね」
「ユリスでも見えない?」
「見えないよーあんな遠く。コルなら見えるかも知れないけど」
 彼女はそう言って、ちらりと私の後ろ、荷物の陰を見やった。私もリコも、揃って同じ暗がりに目をやる。
 そこにはコラーダという名の狩人が乗っているはずだったが、私達の目に映るのは暗色の布、布、毛布──ひたすらに繊維。
 中身が抜け出してても分からんだろうな、なんてことを考えながら、私は訊いた。
「で、どう? 印象は」
「どう、って、訊かれても。……大きな樹があるなぁ、くらいにしか」
 ユリスの返答に、リコがみるみるつまらなさげに表情を翳らせる。
「他にない?」
「他にねぇ……うーん」
「遠目にはただのブロッコリーでしょう?」
「ブロッコリーって、ちょっとアルフ」
 ユリスは言い繕いたいやら私に抗議したいやら、あたふたした末に適当な言葉は見つからなかったようで、口元を歪めた。
「あー、もぅ、コルー……」
 たすけてー、と声にはならなかったが、聞こえた気がした。

001■「ブロッコリー」 アルフ



 電子ノ大密林(仮)からの発送確認のためPCを立ち上げ、今日はまだソフトが届かないのでカッとなって妙なことをしでかす、そんな「世界樹の迷宮II ~諸王の聖杯~」発売日。

 書き分けの都合で、リコ(ソードマン)が当初の予定よりも野生児寄りになりました。まだプレイしてないのに。
 カナデンシス(パラディン)とエベネー(バード)、コラーダ(レンジャー)の男性陣三名は、IIでの仕様変更に伴い、プレイ中にイメージが変わる予感がヒシヒシ。

 ともあれ、ソフトが届かないことにはどうにもならないんだぜ!



 とかやってる間にテレビCMとかきたー?!
 えええぇえテレビで広告打つようなゲームになったの世界樹! なっちゃったの世界樹!(興奮気味)

 もう夕飯のおでんを吹くくらいビックリしました。くそぅアトラス、俺の煮込み大根返せ。
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修行中の身。
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